もうすぐ中秋の名月
今年9月25日は「中秋の名月」です。「中秋の名月」はいわゆる旧暦8月の15日(十五夜)の月です。旧暦というのは江戸時代から明治の改暦まで使われた天保暦を指すといわれています。天保歴は太陰太陽暦(世界的にも精度が高いと言われています)で月の運行と連動していますが,暦は1日単位で決まるものなので,実際の月の朔望からはズレが生じます。(もっと言うなら江戸時代当時と現代とでは天文観測の基準が異なるため,かつての天保歴と旧暦は厳密には同じではありません)
ところで新月(朔)とか満月(望)とかはどうやって決まっているのでしょう。月の朔望は地球と月と太陽の位置関係で決まります。もの凄く大雑把に言えば,地球から見て月と太陽が同じ方向にある場合は新月(朔)になり,月と太陽が反対側にあれば満月(望)になります。これを天文学的にもう少し厳密に言うなら,月と太陽の視黄径の差が0度になった瞬間が朔で,180度になった瞬間が望です。(もっと厳密に言うなら月と地球の位置は通常地心(地球の中心)で測るため,地表から見た場合とでは最大で1度も異なる。観測する場合はその辺を差し引いて考える必要がある)
もうひとつ「月齢」という言い方があります。これは朔になった瞬間からの経過時間(日数単位)を指します。月齢15付近で望になるため,月の朔望の目安として利用されています。で,この月齢と暦としての「十五夜」がごっちゃになって「中秋の名月=満月」という固定観念ができちゃったのかもしれませんね。
旧暦では朔を含む日が第1日(朔日)なのに対し,月齢は朔からの経過時間なので基点は0です。つまり十五夜は月齢に換算すると14から15の間のどこかということになります。月齢15付近で望になることを考えると「十五夜」は満月でないことのほうが多いと言えます。今年のように「十五夜」と望(を含む日)が2日もずれるというのもそうないかもしれませんが。
まっ月を眺めて楽しむ分には「そんなの関係ねぇ!」ですが(笑)。当日はきれいに晴れるといいですねぇ。ちなみに旧暦の翌9月の十三夜を「豆名月」と言うらしいです(これに対して中秋の名月は「芋名月」と呼ばれたりします)。両方見ないと「片見月」になって縁起が悪いそうですが,うちの田舎じゃそんな話聞いたことありません(笑)
(十五夜とか十三夜とかはむしろ「月待(つきまち)」と呼ばれる古来の風習と関係があるようです。この辺調べてみると面白いかもしれませんね)