死んだ後もコンテンツは遺るのか
今日はお気楽な話題ではないですが, hideki さんの「故人のGmailのアカウントに家族がアクセス?」に触発されてこちらで書いてみます。関連する記事として以下も参考になるでしょう。
一方,それとは別に「遺族」と称して他人がメールボックスを乗っ取ってしまうセキュリティ上の脅威というものはあります(なんか RC サクセションの昔の歌を思い出してしまいますがw)。これはもう完全に詐欺なわけですが,それに対する Google の見解は妥当だと思います。というより企業としてはこれ以上の対応は出来ないわけで,その上で問題が発生したなら警察に行けってことですね。
メールボックスの中身を知られたくないなら PGP/GnuPG (S/MIME でもいいですが)等でメッセージそのものを暗号化してしまうか,ケータイ・ユーザがやるように片っ端から削除してしまうのが賢明です。 Gmail では暗号化を(Web メールでは)サポートしてないので,見られて困るようなやり取りは Gmail 上で行わないか,削除するかのどちらかでしょう。(Google/Gmail はアメリカのプライバシー保護団体にも目ぇ付けられているのに,そこで重要なやり取りをするのはどうかという気もするのですが,初期の頃と違って Gmail のユーザにも色々いるからなぁ。プレミアムサービスとかはどうなってるんだろう)
で,ここまでが(死にゆく)本人の話。ここからは遺される人の話です。遺された人にとって問題なのは,ひとつはネット上の交友関係が分からないことが多く彼等に通知のしようがないこと,もうひとつはネット特に Web 上のコンテンツがどうなるのかってことです。(Google のキャッシュがあるとか Internet Archive を見ればとかいう問題とは別にです)
私は2003年に大学時代の先輩を亡くしまして,通知に関しては,そのときはリアルとネットの交友関係で重なる部分があったので何とかなったのですが, Web 上のコンテンツについては本当にまいってしまいました。(海外ではどうなっているか分かりませんが)日本の Web サービスの多くは契約の相続を認めていないか相続について明文化されていません。実際,かの先輩がなくなられたときも Vector は一週間ほどでコンテンツを抹消してしまいましたし,他の ISP も数ヶ月以内には無くなっていました。(ちなみに,かの先輩のコンテンツは,ご遺族の許可を得て私が公開しています)
Web のコンテンツではそれがどこに置かれているか(つまり永続的 URL)が非常に重要ですが,コンテンツの持ち主が亡くなればそれも無くなるというわけです。例えばこの Vox ですが,利用規約を見る限りコンテンツの相続について何も記述されてなく,契約者が亡くなってしまえばコンテンツも抹消される可能性が高いです(第4条2項)。特に Vox の場合はコンテンツがオープンデータになっていない(可搬性が低い)ので, Vox 上のコンテンツが失われればオリジナルが無くなったも同然になります。しかし,このことの是非は難しいです。何故なら本人はそのサービスから離れたときにコンテンツも無くなることを最初から望んで利用していたかもしれないからです。
結局,この手の問題は遺された人がどうしたいのかってことですよね。本人の思いと遺された人の思いは別のものですし,死んでしまった後では遺された人の思いをコントロールすることはできません。ネット上のコンテンツは常に変転しているため普段はそんなことを考えたりしないでしょうが(私もかつてはそうでした),いざそのコンテンツを遺そうとしてもネットにはコンテンツを(本質的な意味で)永続的に留めておく仕組みがないんですよね。だから常に誰かがそれを管理してないと失われてしまうし,人が管理する以上は必ず相続(またはもっと一般的に継承)の問題が発生します。(まぁリアルでも似たようなことは起きますが,形あるものであれば(遺跡のように)人の管理を離れて長い時間存在しつづけることも可能ですし)
とまぁ,たまにはこんなことを考えるのもいいかもしれません。
Comments
これに関して、確かにメールは強固なシステムではなく別の方法でプロテクトするべきだ、という点には同意なのですが、ただサービス提供者であるGoogleが遺族の考えを尊重し、能動的にメールを開示するシステムを整備しているのであればポリシーとして本人による事前の「開示しないでね」という意見も尊重されるべきなのではないか、と思ったわけで。
まあ、死んだ後のことは知っちゃことないというのはそうなのですが。(笑)
「もし、自分が死んだらこのブログどうなるんだろう」って。
「やっぱり更新されなくなったら閉鎖されるのだろうか。
でもって、ご近所さんは「ああ、アノ人辞めちゃったんだ」とか勝手に
脳内処理されるんだろうな。」
などと・・・。
遺言状書く機会があったら一応書いとこうかな。