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地球外文明探索プロジェクトの SETI@home が, 5月17日(日本時間では18日かな)で10周年を迎えます。パチパチパチー!
本家サイトで10周年の記事が公開されていたので, Club-HUAA のサイトで翻訳記事を公開してみました。よかったら読んでみてください。
考えてみたら,私が Web で日記やらブログやらを公開するようになったのは, SETI@home に参加したのがきっかけなんだよなぁ。それで天文研のグループを作って,ネタとして日記を書きはじめたのが最初。それまでも遊びで Java applet の実験ページとか作ってたりしてたんだけど,人に見せる目的でサイトを作り始めたことはそれまでなかったんだよね。あれから随分遠いところまで来ちゃったんだねぇ。
もともと SETI@home は2年間限定の実験プロジェクトだった。それが世界中で大反響を呼んじゃって, 100万人を超える参加者を抱える巨大プロジェクトになってしまった。そこまで来たら後戻りできないよね。なにせスパコンを凌駕する計算資源を手に入れてしまったのだから。SETI@home 以前もボランティアによる分散コンピューティング・プロジェクトはあったんだけど, SETI@home の大成功によって「使える!」ことが証明されてしまった。大量の計算資源が欲しい学術プロジェクトはたくさんあるからね。その後, SETI@home の経験などをベースに作られた汎用の分散コンピューティング・プラットフォームが BOINC だ。 BOINC については Vox でもいくつか紹介記事を書いているので,よかったら見てみてください。
当時たくさんあったグループは今どうなってるのかねぇ。うちのグループはアクティブ・ユーザがほとんどいなくなってしまってかなり寂しい。よそはまだ頑張っているのだろうか。日本語の SETI@home のメーリングリストも随分前に閉鎖しちゃって,ちっとも情報が入らないんだよね。日本国内でいまだに盛況な場所(日本語で情報が入るところ)とかあるんだろうか。どなたか知ってたら教えてください。
BOINC のニュースを見てはじめて知ったのですが, PSI (Planetary Science Institute)による分散コンピューティング・プロジェクトである orbit@home のパブリックβテストが始まっています。
orbit@home は太陽系天体の力学計算を行うプロジェクトです。現在は NEA (Near Earth Asteroid)の調査を主に行っているようです。 NEA は地球近傍小惑星とも呼ばれ,文字通り地球のすぐ近くを通る可能性のある小惑星のことです。条件によっては NEA が地球に衝突する可能性もあるわけで,これらの天体の発見と精確な軌道計算が求められています。 orbit@home では,膨大な量の軌道計算部分をボランティアによる分散コンピューティングによりまかないます。
orbit@home のプラットフォームには BOINC が使われています。 orbit@home に参加するには,まず BOINC ソフトウェアをダウンロードおよびインストールします。初めて起動した場合はプロジェクトの URL を訊かれますので, orbit@home の URL http://orbit.psi.edu/oah/ を入力してください。以降は指示に従ってアカウントを作成しプロジェクトをソフトウェアに登録します。 BOINC の使い方およびプロジェクトの管理について詳しくは User manual (ちょっと古いですが日本語版もあります)を参照してください。
私も参加しました。ついでにチームも登録しました。成果が上がるといいですねぇ。
支援したい、またはして欲しいと思う慈善事業はありますか?
慈善(charitable)っていうとイメージが限定されちゃいますが、自分の持っているリソース(特技なども含める)をいかにして社会に還元するか、またはそうしたリソースを集めて社会に再配分してくれる団体等にコミットするかってことですよね。そう考えると、例えばオープンソースプロジェクトに参加することも「支援」のひとつである、とも言えるわけです。でも誰もが社会に還元できるほどのリソースを持っているわけではありませんし、お金に限定するなら「私にこそ支援してほしい」と思ってる人は沢山いるのでは(笑)
というわけで「パブリック・コンピューティング」または「ボランティア・コンピューティング」とも呼ばれている BOINC (Berkeley Open Infrastructure for Network Computing)を紹介しましょう。 BOINC については「World Community Grid」でちょこっと紹介しましたね。 BOINC はユーザ参加型の分散コンピューティングのプラットフォームです。分散コンピューティングというのはコンピュータの使っていないパワー(とそれを動かす電気代)をあちこちからちょっとずつ集めて難しい計算を解くものです。データの伝送がボトルネックになる(なんせネットワークの回線速度より速くならない)ためデータ量の多いリアルタイムのシミュレーションなどには向きませんが、データ量に比べて計算量が膨大なもの(「計算集約的」といいます)ならばこの分散コンピューティングが絶大な威力を発揮します。例えば宇宙からやってくる電波から優位の信号を探して地球外文明の存在の可能性を探るプロジェクト(SETI@home)、世界規模の気候予測を行うプロジェクト(Climateprediction.net および BBC Climate Change Experiment)、さまざまな疾患の解析を行うプロジェクト(World Community Grid)などなどです。
BOINC の特徴はこれらのプロジェクトに複数同時に参加できることです。ユーザ側でプロジェクト間の優先順位を決めたり一時的にプロジェクトを止めたりすることもできます。 Windows プラットフォームであればインストールもそれほど難しくありません。ダウンロードページで最新版のインストーラを取ってきてインストールすれば完了です。あとは好みのプロジェクトの URL を入力してプロジェクトに参加(Attach)します。
ボランティアによる分散コンピューティング・プロジェクトのひとつである “World Community Grid” の Web サイトが日本語に対応したそうです。
“World Community Grid” でもそうした学術プロジェクトがいくつか進行中です。以下にいくつか挙げてみます。
- 筋ジストロフィー治療支援プロジェクト
- ゲノム比較プロジェクト
- がん撲滅支援プロジェクト
- ヒトたんぱく質解析 - フェーズ 2 プロジェクト
- FightAIDS@Home プロジェクト
ちなみにこの “World Community Grid” には BOINC から参加することもできます。 BOINC (Berkeley Open Infrastructure for Network Computing)とはカルフォルニア大学バークレー校が中心になって作った汎用の分散コンピューティングのプラットフォームです。 BOINC では複数の分散コンピューティングプロジェクトに同時に参加できます。 CPU 時間のスケジューリングは BOINC が自動的にやってくれます。 BOINC で “World Community Grid” に参加する場合は,あらかじめ Web サイトでアカウントを取得し, BOINC Manager などから参加(Attach)します。「“World Community Grid” には興味あるけど BOINC 上の他のプロジェクトに参加してて」という方は是非この方法をお試しください。